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目次
- 体育とスポーツの違い
- ゴルフとはどんなスポーツか
- 習う=うまくなる
ゴルフ業界にいると、こんなことをよく聞きます。
「最初は先生(プロ)に習った方がいいよね!」
この考えを否定するわけではありません。習った方がうまくなるとも思います。
しかし、習ってもうまくならないとも言えます。
これは僕の経験から。
今回はスポーツだったり、ゴルフだったりを考えながら話を進めていきたいと思います!
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体育とスポーツの違い
前提にこの話が必要だと思うので、少し。
日本は体育という学校教育でスポーツに触れることが多い国です。
部活も指導者は先生ですね。
昨今、クラブチームや個人のコーチが増えましたが、まだまだベースはそこだと思います。
この辺がゴルフのなかなか難しいところかなと思ったりします。
スポーツの語源はデポルターレという言葉で、簡単に言えば、遊びです。
楽しむことがスポーツの根底にありますが、日本社会はスポーツを教育の一環として体育という枠に入れて発展してきました。
これは別に間違いでもなんでもないと思いますし、その国それぞれの考え方で、日本はそうだ。ということです。
ただ、ここに違和感を僕は感じています。
ゴルフという遊びをする。始めるのに、どうして最初から先生(プロ)に習うという話が出てくるの?
僕らが公園でサッカーをしていたとき、野球をしてたとき、一輪車をしていたとき…
そこに先生はいたでしょうか…
多分上手も下手も関係なく、ただ楽しくて、日が暮れるまでボールを蹴ったりしていました。そして気づいたら、いろんな技やプレーができるようになったんです。
なのに、ゴルフはなぜ最初から「習った方がいいよ?」という言葉が生まれるのか。
もちろんそこには大人になってから始める人が多い。
とか色々要素はあります。(以下省略)
ただ、ここに違和感の原因があることは間違いないと思います。
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ゴルフとはどんなスポーツか
前回のゴルフというスポーツを考える
でも少し、触れましたが、ゴルフがどんなスポーツか?
ということを考える必要もあると思います。
基本的にスポーツは使用する道具の数と身体能力が反比例していきます。
陸上競技、例えば100mとかは身体能力が問われます。
しかし、ゴルフはクラブでボールを打つスポーツなので、身体能力の重要性が下がります。
イメージとしては身体能力と道具を扱うスキルが半々くらいなイメージです。
だから、野球をやっていた人はゴルフがうまい。とか、ゴルフ好きな人が多いと思います。
それは、競技特性として道具を使って、ボールを打つという似ている部分があるからです。
(共通のスキルがあるということ)
結論としては、道具にはどんな特性があり、どのように使うべきなのか?
の方が習う必要があります。
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しかし、実際の指導現場や指導書籍を見ると
グリップの握り方
ハーフスイングまでの上げ方
クラブヘッドの向きとシャフトの傾き
などが主に書かれています。
それも非常に大切なのですが、もっと本質的なことや道具の特性を理解する必要があると僕は感じています。
また、基本的にスポーツはリアクションです。
野球で言うと、ピッチャーが投げたボールに対して、バッターはリアクションをします。
いいリアクションをすれば、バッドにうまくボールが当たり、遠くにボールを飛ばせると思います。
しかし、ゴルフはアクションから始まります。
(これはピッチャーやバスケのフリースローに似ている)
日頃アクションから始めるスポーツは少ないので、だからこと、難しさを感じるわけです。(さらに言えば、アクションから始めるスポーツをしている人は始めるためのきっかけ=ルーティーンを持っている)
極論、ゴルフをアクションではなく、リアクションでプレーできれば、簡単になります。
(その辺はまたそのうち)
しかし、ゴルフは0からエネルギーを生み出すので、それを練習したことがない人、考えたことがない人には非常に難しいスポーツであると言えると思います。
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習う=うまくなる
結果、
どうやって握れば?
どうやってあげれば?
どうやって打てばまっすぐ思ったところに飛ぶの?
という悩みを解決するために
おそらく「先生(プロ)に習おう!」
となるのだと思います。
ここで、先ほどの「体育とスポーツ」の話になります。
体育は先生が教えてくれて、逆上がりのコツを教えてくれます。
(でも、できない人もいます)
スポーツは遊びで、とりあえず楽しむこと。
これが大前提にあるべきです。
それを習い始めてしまった時点で、(もちろん目的、時期、モチベーション、タイミングによる)僕はゴルフのスポーツとしての楽しさから逸れてしまっている可能性があることに気づく必要性があると感じています。
極論ですが、習い始めた時点で、苦しみのスタートである可能性は十分にあります。笑
(なぜ苦しみのスタートなのかはまた次の機会に。)
でも、習うことである程度のレベルになれることを体感している僕ら日本人は、
わからないから、難しいから習おう!
となることも自然なことです。
そして、その習うこと進める人は大体、自身の中で後悔しています。
「自分も最初から先生(プロ)習っていれば、もっとうまくなれた…。」
と。
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違います!ここは断言します。笑
習っていたら、もっと路頭に迷っていた可能性があります。
そして、習うことを進める人(大体上司とか、先輩とかお父さんとか)
もなんだかんだ、圧倒的な練習量で、ベストスコア80、90台くらいのスコア、もしかしたら70台でラウンドしていることもあります。
確かにスイングははちゃめちゃで、効率よく跳ばせてないかもしれません。
しかし、うまくなりたい!もっと飛ばしたい!
というモチベーション(楽しみ)により、圧倒的な練習量をこなし、ラウンド回数をこなし、ご自身のゴルフスタイル、哲学をしっかりと構築されています。
それは最初に先生(プロ)に習わなかったからこそ、そこまでいけたのかもしれません。
実際に世の中には習っても習っても一向にうまくならないゴルフスクールも存在しますし、ビジネスモデルとしてうまくさせない…(これ以上は言葉を慎みます)
しかし、体育で育った僕らは、習うことである程度の成績は出せるようになる。
という思い込みにより、実はゴルフを楽しんで成長する機会を失っている可能性があるのだということに気づかなくてはいけません。
もちろん、これが全てではなく、習ってうまくなることもたくさんあります。(そこは決断と選択の問題でもある。)
しかし、本来スポーツは楽しむものであり、ゴルフは感性のスポーツです。
ご自身の感覚が非常に大切です。
18ホールのラウンドで、全く同じ状況はありません。
それらをご自身の感性で攻略していく楽しさがあります。
もちろんそこにはセオリーや攻略法があるので、そこは先生(プロ)から習ったり、アドバイスをもらうべきことです。
何より、よくわからない状態で、うまくあたらずにメンタル的に落ち込んだ状態で、
先生(プロ)がそこそこのことを言えば、どんな人の心にもある程度響きます。笑
乾いた大地に水をあげたら、潤うようなものです。
もし、今、悩んで悩んで、誰かに習おう!スクールに入ろう!と思っている人がいましたら、ちょっと思い止まって、単純にゴルフを楽しんでみてください。
また、ゴルフの大切なポイントって何か?
それをご自身の頭で考えてみて、その謎を紐解いていく楽しさを想像してみてください。
そして、ボールに対してアクションするのではなく、リアクションをしてください。
また、自分の身体を自分自身がうまく扱うためには…など
そんなことを考えるだけで、悩みはスッと解決するかもしれません。
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ゴルフを習うことで無駄なお金をかけたり、遠回りをしたアマチュアゴルファーがここにいます。笑
皆さんには余計な時間をお金をかけることをおすすめしたくはありません。笑
もちろん、今回の話は「習うこと」を否定するわけではありません。
ただ、必要なタイミングで、自身のニーズにあった人、スクールからゴルフを習うために、ご自身の感性や考えが必要です。
ご自身で楽しみながらできることがまだまだたくさんありますし、
最近は安価でユニークな練習器具もたくさんあります!
そちらの方が効果的なことはたくさんあったりします。
(大きな声では言えないけど笑)
次回は、もう少し踏み込んだところを書いていきたいと思います。