なぜ、ゴルフは習わなくてはいけないのか。 ~後編~

目次

  • 初心者がスキルを上達するために
  • ティーチングとコーチング
  • 主体性と吟味

個人的にも疑問点である
「なぜ、ゴルフは習わなくてはいけないのか。」
について、個人的な考えをツラツラ書いています。

今回はそちらの後編になります。

前編は
・体育とスポーツの違い
・ゴルフはどんなスポーツか
・習う=うまくなる

について、書いていきました。

前編
なぜ、ゴルフは習わなくてはいけないのか? ~前編~

これは私がゴルフをする中で、感じてきたことであり、今振り返れば、もっと早く上達することを可能にできたというちょっとした後悔も持っています。

これからゴルフを始める人、始めて露頭に迷っている人、うまくならないから誰かに習おうかな…と思っている人

いろんな人がいると思いますが、そんな方に向けて、無駄なお金をかけずに、ゴルフが上達できるヒントになれば幸いです。

初心者がスキルを上達するために

前編の最後に

習う=うまくなる

ことではない。というお話を書きました。

ただ、決して勘違いしてもらいたくないのは、習うことが必要ないわけではありません。

人によっては習うことで上達を早める可能性は大いにあります。

それは、ゼロから始める初心者です。

ゴルフは身体能力とスキルが大体半々くらいのスポーツだと思います。
前編でも書きましたが、陸上競技であれば、その多くが身体能力が影響します。

もちろん指導者の指導によって、能力を向上させることは可能ですが、元々の素質が問われる部分が大きくなります。

一方、ゴルフは道具を使ってボールを打つスポーツです。

その場合、身体能力と合わせて、道具を扱うスキルが問われます。
その比率は個人的に半々であり、この道具を扱うスキルは指導によって向上させることが可能です。

感覚(センス)も問われますが、ここは指導力も問われるわけです。

初心者の場合、0からのスタート(何もわからない状態)になるので、指導を受けることでスキル上達を速めることが可能になります。

しかし、これも考え方で、道具を使ってボールを打つ感覚を持っている人(野球経験者など)は最初から振り方やボールへの当て方の感覚を持っている場合があります。

また、すでにある程度ゴルフをやっている場合、よく自己流…と謙遜する人がおりますが、本人の感覚、感性が構築されています。

次で説明しますが、そのように

初心者の場合は習うことでスキルを上達させるスピードを早めることが可能だと考えられます。
しかし、経験者や似た競技特性を持つスポーツの経験者は習うことが逆に混乱の始まりになることがあるので、注意が必要です。

ティーチングとコーチング

では、どうして経験者が指導をおすすめできないのか。
(全否定するわけではなく、指導を受けるまでにしっかりとプロセスを辿るべきという考えです)

日本のゴルフ界には協会認定のティーチングプロとツアープロがいます。
簡単に言えば、

ティーチングプロは教えるプロ
ツアープロはツアーを回る資格を持ったプロです。

日本での傾向的にツアープロになれなかった人がティーチングプロになることが多いようです。(それも個人的には矛盾しています)

また、日本の教育はティーチングが主になります。
ティーチャー(先生)から教わる。

いいとか悪いとかではなく、全てに長所と短所がありますが、
非常に受動的な学びが多いの特徴です。

よって、個人的な感じ方として、ティーチャーとしての指導者が多い印象です。

しかし、ゴルフは何度か書きましたが、感覚が問われるスポーツです。
18ホールをより少ない打数で上がる。
そのために自分の強みを生かしてのコース攻略が必要になります。
そのようなゴルフというスポーツにおいて、レベルが上がれば上がるほど、必要なのは、ティーチャー以上にコーチです。

簡単に言えば、自分の良さを最大に引き出してくれる人です。
(コーチとは導く人という意味)

ツアープロの中でも成績を出している人にはそのようなコートがついている印象

余談ですが、こんな本が今ゴルフ界ではベストセラーです。
ご興味あれば読んでみてください。

しかし、これも10数年ゴルフ業界にいて、自身も何人かのコーチから指導をうけて感じることで、主観的ですが…

基本的に日本で指導を受けることができるのは練習場などに所属するティーチングプロになります。

彼らの多くは今のプレイヤーの能力を引き出すよりも、ある型(打ち方)を教えることに長けています。

よって、指導を受けると、今のスイングをより生かすよりもそれをなかったことにして、指導者が理想とするスイング理論を0から積み上げる指導が始まってしまいます。

もちろんそれは正しいことだと思いますが、積み上げたものをなかったこととし、自分の感覚とは違う理論を刷り込ませる。

これは猛烈に時間がかかる作業であり、非常に非効率的です。

しかし、なぜかゴルフ業界はそれを善とする傾向があります。

今まで習わなかった自分が悪かった。
先生は間違っていない。
習えばうまくなれる。

という根拠のない暗黙の了解のようなものがあります。

しかし、実際に必要なのは、自分にあったコーチングをしてくれるパートナーです。

このように日本ゴルフ界はまだまだこのティーチングとコーチングの違いをしっかりと提示できていません。

そしてティーチングは初心者には非常に効果的な指導ですので、自身がどのレベルか。ということをしっかりと自身が理解することが必要になります。

また、個人競技であることからゴルフはコーチを選びやすいスポーツです。

自分にあったコーチを見つけることもゴルフがうまくなるためのコツであり、誰でもいいから先生に習う。とりあえずスクールに入る。というのは実際、運任せであり、多くの場合は無駄な時間と費用をかけるだけで、逆に自身のゴルフを後退させる可能性さえあるのです。

主体性と吟味

ただ、日本の教育は受動的、ティーチングな部分が大きいため、習うだけでうまくなっている。という錯覚を起こしやすいです。

結果的にそれによって、スポーツでは異例のゴルフだけが、インストラクターとして生計を立てられる。ビジネスとして成り立っています。

しかし、大きなことを言えば、このままの形であれば、日本ゴルフが世界と競技力で対等になることは無理でしょう。

松山英樹や渋野日向子のように、何年かに1人、たまたま世界に通用する選手が登場する。
また、ジュニア育成にはティーチングの力が非常に大切なので、育成年代はレベルが高いのもそこに関係があると思います。

しかし、アマチュアレベルが上がる
とか
生涯スボーツとしてゴルフをもっと楽しめる
とかはあまり期待できないと思います。

先ほども言いましたが、ゴルフは感性のスポーツです。

18ホールをより少ない打数で上がるスポーツであり、同じショットは2度とないと思います。

自分の強み、弱みを理解し、人と違った攻め方でも、自分らしくコースを攻略していくことが醍醐味です。

それは非常に主体性のあることがわかると思います。

しかし、現状アマチュアレベルで主体性を尊重してアドバイスをくれる指導者は決して多くはないと思います。

また、日本社会が受動的な学び(これはいい悪いではない)がベースになっていることで、やはり大人になればなるほど、習ったことは間違いではない。という固定観念がどこかにある気がしています。

しかし、それが自身の感性や経験と合わない時点で、正しかったとしても、自身のゴルフを路頭に迷わせる悪魔のささやきにさえなってしまいます。

本来、指導はよりその競技が楽しくなるように受けるものです。

もし、今、ゴルフの指導を受けていて、ゴルフが楽しくない。楽しくなくなってきた。
レッスンが辛い…と思っている方は、是非ともその指導をやめる勇気を持って欲しいなと思います。
それはあなたのゴルフに無駄なお金と無駄な時間をかけている可能性が大きいからです。

もちろんそれを求めているのなら、それは正解です。

「なぜ、ゴルフは習わなくてはいけないのか。」

個人的に、習えばうまくなるものだ。と信じている人が多い気がしています。
しかし、本来、コーチとプレイヤーの関係性は対等であり、コーチはプレイヤーの良さをより引き出すために存在しています。

僕は習うことを否定するわけではありません。

限られた予算と限られた時間でゴルフをより楽しむためには、自身が求める先生(コーチ、指導者)をしっかりと吟味する必要があります。

また、ゴルフは非常に主体性が問われるスポーツです。
またラウンド中は自分自身が自分のコーチになります。(セルフコーチング)

自分を分析し、自分で考え、自分らしさを見つけることで、よりゴルフが楽しくなると思いますし、楽しいを積み上げていけば、きっとあなたのゴルフはもう一段レベルアップします。

ぜひ、自身がどんなゴルフをしたいのか。
今、どんなレベルなのか。
どうすればうまくなれるのか。

をご自身で考えてみてください。

きっとまだまだ自分が気づけてないことを、自分自身で気づくことができると思います。

そして、そうすれば、ゴルフにかける無駄なお金や無駄な時間は劇的に減り、よりラウンドや練習、道具を買う楽しさに時間やお金を使うことができるはずです!

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